【総評】

第59回写真道展には514人から5406点の応募がありました。出品者は道写真協会会員をはじめ一般応募者の増加もあり、昨年より20人増えました。
作品の質も向上し、大変喜ばしい次第です。
審査は3月3、4日の両日、招聘審査員2人と北海道新聞社写真部長、写真道展審査会員ら計29人が第1次から第6次まで慎重に進めました。

第1部(自由)は人々の生活や風土、テクニックフォトなど幅広い分野です。
スナップ写真では作者の身近な人たちの生活などに目を向けた写真が増えました。
第1部の一席、文部科学大臣と第59回写真道展大賞を獲得された高谷喜一さんの「光輪」は空いっぱいの光の輪「日暈(ひがさ)」と呼ばれる気象現象を捉えています。
シルエットの黒い屋根と見上げるような彫刻像を大胆に組み合わせた構成力が、すばらしい作品を生み出しました。

第2部(観光・産業)は美しい風景にとどまらず、各地の農水産品やグルメなどを含めた北海道の産業もテーマです。
一席の国土交通大臣賞に選ばれた河原勇滋さんの「道」は遠景に見える灯台と小さな1軒の家、画面を割るかのように白い木道が置かれています。
点景のシルエットの子供が果てしない広さを感じさせてくれます。

第3部(ネーチャーフォト)は動植物や自然現象などが対象で、安斎聡さんの作品「光立つ」が一席の環境大臣賞に選ばれました。
冬の立ち木の枝に降り積もった雪が落下するシーンは見たことがあっても、撮影のために予測することは困難です。
作品はその一瞬を光の中に捉え、見る人に感動が伝わってきます。

近年のデジタルカメラの普及で、応募作品はインクジェットが全体の66%」を占めました。カメラは高度なデジタル時代であっても、作者の心の眼で価値あるイメージを想像してもらいたいと思います。

審査委員長 志賀芳彦

<作品名をクリックすると別窓で作品が見られます。Javaを有効にして、ポップアップウインドウを許可して下さい>
第1部(自由)
一席   文部科学大臣賞・第59回写真道展大賞 高谷 喜一(札幌) 光 輪
二席 北海道知事賞 山本 隆晟(江別) 地上の光
二席 北海道教育委員会教育長賞 早坂 藤男(東神楽) 見つめる
二席 北海道新聞社賞 中川 昌子(札幌) 私の中の私
二席 富士フイルムイメージングシステムズ賞 小泉 和子(小樽) 夢に挑む
三席   嵯峨 秋雄(小樽) 集 光
三席   安本 元昭(札幌) たしかめる
三席   白鳥 敏昭(旭川) 成人式へ
三席   坂本 幸夫(札幌) 昼下りの公園
三席   澤野 玲子(北見) 営みつづく
三席   中川 ミエ子(釧路) 繁忙期
三席   松葉 師正(羽幌町) 輝いて

(クリックするとpdfで入選者名と作品名が閲覧できます)

第2部(観光・産業)
一席 国土交通大臣賞 河原 勇滋(岩見沢)
二席 道新観光賞 澤田 一夫(札幌) 夜の大通公園
二席 道新文化センター賞 原 貞子(札幌) まだまだ元気
三席   武田 礼子(札幌) 青春してま〜す
三席   渡辺 勝(札幌) ルスツの朝
三席   中川 ミエ子(釧路) 浜の賑わい
(クリックするとpdfで入選者名と作品名が閲覧できます)
第3部(ネーチャーフォト)
一席 環境大臣賞 安斎 聡(砂川) 光立つ
二席 北海道写真協会賞 村上 和子(札幌) 目覚めの森
二席 富士フイルム賞 鈴木 立士(北広島) 雪原の狩人
二席 北海道新聞野生生物基金賞 大塚 以和雄(札幌) 朝霧の湖
三席   小泉 和子(小樽) 仲良し
三席   吉村 剛(千歳) 家路
三席   高江 敏博(根室) 大物だ
三席   水谷 博之(弟子屈) 霧氷の朝
(クリックするとpdfで入選者名と作品名が閲覧できます)

【展覧会】

 公募作品展:5月10日(木)から15日(火)

 審査会員・会友作品展:5月17日(木)から22日(火)

 開催時間:10:00-19:00 最終日は17:00まで

 開催場所:道新ぎゃらりー

      札幌市中央区大通西3 道新ビル1階  

DM

【巡回展日程】上記以降各地位の巡回展を行います。日程はこちらから